日本語402のふりかえりと最終報告書

 

シマアオジ


1.今学期、日本語402のふりかえり

今学期では日本語301からこのクラスへ来ましたので、日本語402のレベルについてはすごく心配していました。だが、301と同様にあまり心配しなくて良かったのではないかと思います。このクラスの宿題や読み物で忙しいころもありましたが、茶道や編みぐるみのプロジェクトは相当楽しかったです。個人学習プロジェクトを始めるとき、二つの参考資料ををほぼ読み切れると思いましたが、結局そのペースで読めなかったことが今になってがっかりしています。それでも日本の野鳥の面白い知識も得られたからこのプロジェクトを終わらせて今は納得しています。今後日本に行く都合があれば、調べた野鳥のちゃんとした写真をついでに取りたいです。次の学期ではスキップした日本語401をとる予定ですが、また個人学習プロジェクトがあるとしたら新しく「樺太の歴史」について調べてみたいです。日本語402の皆さん、ありがとうございます! 

2.最終報告書

    1. 起(き) (introduction):トピックの説明、選んだ理由

私が選んだトピックは日本の野鳥についてである。先学期は電車について調査したが、電車に関しては新たな資料や興味深い事柄をすべて語り尽くした感があったため、今学期は異なるトピックを選択した。野鳥にまつわる出来事で最も印象に残っているのは、海鷹(ミサゴ等)に自分のサンドイッチを盗まれた経験だ。その日を境に周辺の鳥の行動を観察し始め、最近ではバードウォッチングが趣味となった。アメリカの野鳥については知識があったが、これまで日本の深い森に生息する野鳥については詳しく知らなかった。この最終報告書では、『日本野鳥の会のとっておきの野鳥の授業』と「鳥たちをめぐる日本史―武将、文人に愛された八種類の鳥」[SO1.1]という著書から選んだ合計五羽について報告する。


    2. 承(しょう) (content 1):今までの成果(調べたこと、分かったこと、学んだこと、など)

最初に紹介する野鳥は「モズ」だ。モズは沖縄県を除く日本全国に生息している。平地を好むため、深い森の中ではあまり見かけない。漢字で「百舌」と書くが、これには明確な理由がある。モズは他の鳥の鳴き声を巧みに真似るからだ。ただし、一般的な鳴禽類(めいきんるい)とは異なり、自分より小さい鳥の真似をする。モズは虫や小型哺乳類、小鳥を狩るが、この真似は狩りのためではないようだ。この鳥の最も興味深い習性は「はやにえ」を行うことである。平安時代から知られていたこの行為は、最近まで大きな謎であった。古くは冬の保存食と考えられていたが、日本野鳥の会の研究によると、モズは2月には「はやにえ」にした獲物を全く食べないという。2月上旬はモズの求愛行動が始まる時期であるため、栄養を蓄えて求愛を成功させるために「はやにえ」を行っていると考えられている。

次に調査したのは「シマアオジ」である。鮮やかな黄色の体が特徴で、その羽で相手にアピールし求愛行動を行う。アジアの広範囲に生息しているが、日本での繁殖地は北海道のみである。冬になると越冬地である東南アジアまで渡る。実は、この鳥は40年以上前から絶滅危惧種に指定されている。日本とアメリカの調査によると、越冬の際に経由する中国での状況が関係しているようだ。「米食鳥」と呼ばれるほど米を好むため、現地の農家からは古くから厄介者として扱われ、狩猟の対象となって市場で売られていた。1980年代には市場で人気の食材となったが、個体数の減少を受けて90年代に中国政府が販売を禁止した。しかし現在も闇市場での取引は続いており、日本野鳥の会などの団体が保護活動を継続している。

『日本野鳥の会のとっておきの野鳥の授業』から最後に調べたのは「シジュウカラ」だ。モズやシマアオジとは異なり、一年を通じて同じ場所で暮らす留鳥である。この鳥の最大の印象は、非常に「仲が良い」点だ。例えば、求愛給食(オスがメスに餌をプレゼントする行為)を行ったり、オスとメスが協力して巣材を運んだりするほか、冬には多種と群れを作って採餌を行う。また、鳴き声が非常に複雑である点も興味深い。接近する時は「ヂヂヂヂ」、周囲を警戒する時は「ピーツピー」など、状況に応じて使い分ける。近年の研究では、長野県の調査地でシジュウカラが蛇を警戒する際の「ジャージャー」という鳴き声をスピーカーで流したところ、周囲にいた他種の鳥も警戒を始めたという。シジュウカラは他の鳥と同じ木に住むことが多いため、他種がシジュウカラの「言葉」を学んだ可能性がある。


続く二羽は「鳥たちをめぐる日本史―武将、文人に愛された八種類の鳥」の資料から選択した。当初はさらにもう一羽を紹介する予定であったが、参考資料の内容の難解さと深さから数を絞ることとした。

まず紹介したいのは「ウグイス」だ。この野鳥の一番面白い点は、名前の由来と変化にある。現在では鳴き声は「ホー、ホケキョ」とされているが、日本の歴史全体で見れば、これは比較的新しい表し方である。七世紀初頭から江戸時代までは、名前と同様に「ウーグイス」と鳴くとされていた。その証拠として、内裏歌合(1067年)での藤原敏行(百人一首18番の作者)の歌が挙げられる。

心から 花のしづくに そばちつつ うくひずとのみ 鳥のなくらむ

「憂く干ず(うくひず)」とは、ウグイスの鳴き声を「(羽が濡れて)乾かなくてつらい」と解釈した表現である。それから約二世紀後、僧侶の惟高妙安が、ウグイスの鳴き声を「法華経(ほけきょう)」の象徴であると説き始めたといわれている。鎌倉時代になり鎌倉仏教が普及すると、鳴き声の解釈も「法、法華経(ホー、ホケキョ)」へと変化した。その他にも蓮如という僧は「うくひすは法、ほききよと鳴くなり」という言葉を伝え、そこから、「法を聞きよ」と解釈する「聞きなし(鳴き声を言葉に当てはめること)」を考案している。これらの二つは時とともに融合[SO3.1]され、現代の鳴き声へと進化した。

次に紹介する野鳥は「セキレイ」である。ここではこの鳥と伊達政宗にまつわる物語を取り上げる。当時(安土桃山時代)、政宗が領地を没収された旧領主たちを裏で操り、葛西・大崎一揆を起こさせているという噂が流れた。その証拠として、政宗が一揆軍に送ったとされる「密書」が豊臣秀吉の手元に届けられてしまう。秀吉に呼び出された政宗は、処刑を覚悟してか、派手な演出で現れた。そして、証拠の密書を突きつけられた際、彼は落ち着いてこう語った。

「これは私のものではありません。偽物です」

秀吉が「花押がそっくりではないか」と問い詰めると、政宗はこう続けた。 「私の本物の花押には、セキレイの目の部分に、針でついたような小さな穴を開けてあります。この密書にはその穴がありません。悪者が作った偽物です」。

実際、その場で他の書状を確認すると、確かに政宗の言う通りに針の穴があったため、彼は疑いを晴らし見事に危機を脱したのである。この話には、現代の歴史家の間で面白い解釈がある。実は、政宗が「セキレイの目に穴を開ける」と言い出したのは、この場が初めてだったのではないかという説だ。つまり、密書が本物であることを認めざるを得ないジレンマで、「本物には穴が開いている」というルールをその場で決めたという、とてつもない機転と運で乗り切ったというわけだ。

そもそも、なぜ政宗の花押はセキレイをモチーフにしたのだろうか。日本神話において、セキレイはイザナギとイザナミにつがいの作り方を教えた「教え鳥」として神聖視されていた。しかし、現代の歴史学においても、この花押に描かれたのがセグロセキレイかハクセキレイかという点は謎として残っている。政宗は何十種類もの花押を使い分けていたとされ、問題の密書も豊臣家滅亡の後失われたとされる。新たな証拠が見つからない限り、この花押の正体は「一般的なセキレイ」として語り継がれていくであろう。

    3. 転(てん) (content2):問題点、困っていること

 本プロジェクトにおける最大の問題点は、参考資料の難易度であった。先学期の個人学習プロジェクトでは記事を中心に参照したが、「鳥たちをめぐる日本史―武将、文人に愛された八種類の鳥」は『日本野鳥の会のとっておきの野鳥の授業』より使用されている言葉が複雑であると感じた。特に日本の歴史的人物や歴史的な言葉が多く、意味を調べる必要が沢山あった。また、自分だけでなく他者が興味を持てるような二羽を選ぶのにも時間をかけた。各鳥にまつわる話を詳しく説明するために調べる時間が増えた点も、苦労した点の一つである。

    4. 結(けつ)(conclusion): 

このプロジェクトを終えた現在は良い気持ちである。興味深い生態や背景を持つ野鳥について詳しく調査できたからだ。調査量は多かったが、個々のトピックが興味深く、大学の課題以上のやりがいを感じた。当初の計画に含めていた「タカ」や「ワシ」などの大型の野鳥については、今回の資料が主に小鳥を扱っていたため、十分に調査できなかった。したがって、今後もこのトピックについて研究[SO4.1]を続け、インターネットも活用しながら大型の野鳥についても調べていきたいと考えている。




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